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緊張10(雅side)
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「俺ね、何となく分かってたんですよねぇ、父さんが俺の事愛してないんだって。俺がまだ小さかった時ね、ほんの少しだけ、幸せだった記憶あるんですよ。だから、なんか違うなぁっていうのは、感じてたんです。でも、凛さんといた時よりは全然恵まれた環境だったから、これ以上悪くなるのが怖くて、自分に言い聞かせてたんです。これが幸せでこれが愛情なんだって。あ、凛さんって俺の母親なんですけどね。」
翔さんからは何の感情も読み取れない。でも「そう、それで?」と物語を聞いているように珈琲を飲むから、スラスラと言葉が出てきた。
その後は父さんのいう通りに身体の関係を持ったことや仕事を始めたこと、進路については口出しされなかったけど、いろんな条件が付いていたりして大変だったこととか、色々話した。
その間、翔さんはずっと俺のペースで話を聞いていてくれた。
「父さんがいなくなってから、変な夢見るようになって、すごい昔の事を夢に見るんですよねぇ。1人で真っ暗で寒くて狭い所にいるんですけど、いつも夢の最後に誰かが手を差し伸べてくれるんですよ。顔は見えないけど、父さんだぁって分かるんです。でもね、翔さんと初めて会った日は、父さんじゃなくて、翔さんだったんです。しかも、ちゃんと顔までわかって。ビックリして飛び起きました。」
「ははっ、なんだそれ。」
「俺にもわかんない。でも、その後から父さんと翔さんがかぶって見える時があって、翔さんと会うの怖かったんですよね。」
一瞬緩んだ翔さんの表情がまた固くなった気がした。なんか言ったかな?まぁいいや、出てくる言葉は全部言うって決めたし。
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