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「 あき …… !! ……ら!!」
兄が僕を呼ぶ声が聞こえる。
ぁあ、またぶたれるのかな 。
ゆっくりと瞳を開く。真っ白な天井が目に映る。
僕……死ねなかったんだ。
「あ、晃 !!!! お前、心配させるなよ!」
兄の声が聞こえる方へと重い頭を動かす。
何故 兄が僕を心配する必要があるの?
ふと思った疑問を口にしようとして、慌てて口をつむぐ。
兄の隣には…生徒会長がいたからだ。
なんで生徒会長が。
改めて辺りを見回すと知らない人の部屋だ。
そこが生徒会長の部屋だとすぐに理解する。
僕は慌てて身体を起こす。
「ぼ、僕 ……ご、ごめんなさい。」
生徒会長に謝ったつもりなのに、何故か兄が反応する。
「ほんとだよ。なんで苛められてるの 、俺に言わねぇの?お前の教科書にされてた落書き、ヤベェだろ。 それに身体中の痣も。」
へ? やったのは 兄なはずだ。
それに、痣?……これは兄と母がつけたもので……。
「え、え、この痣は……」
言いかけて兄の目つきが変わる。
出かけてた言葉は兄の目つきに圧倒され出なくなってしまった。
そうか。兄は生徒会長の前だからいい兄を演じているのか。
理解した。
すると、生徒会長は立ち上がり、兄の肩を優しく叩く。
「ごめんね皐月君。俺、晃君と2人で話したいことあるから、少しだけ 外で待っててもらえるかな? 」
「あ、はい! じゃあ、 晃 外で待ってるな。じゃあ、失礼しました。」
兄は同い年の生徒会長に敬語を使う。
どうやら 兄は生徒会長に嫌われたくないようだ。
兄が生徒会長の部屋から出て行く。
2人の間にはしばしの沈黙が流れた。
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