アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
-
、
-
どうやって切り出そうか悩んでいるうちに1日が終わった
俺と翔と晴人は部活に入っていない
桜は空手部に入っているが形だけであまり部活に出ていない
本人は入部する気は無かったようだが都大会で優勝した実績を持っていたので形だけでもいいからと頼み込まれたのだ
俺は桜に話をしようと思い声をかけた
「桜。ちょっと話があるんだけど、いい?」
「…わかった」
桜は素直に応じてくれて一緒に帰ることになった
いつもは晴人と翔と帰っていたので桜と約束があると断って先に学校を出た
桜と並んで歩く
互いに一言も発さず気まずい空気が流れる
少しして昔よく一緒に遊んだ公園が見えてきた
「…桜。あそこよってかない?」
「…ああ。」
桜はいつも口数が少ないが今日はいつにも増して少ない
公園に入りベンチに座った
早く話を切り出さなければと思うのだがなかなか言葉を発することができない
しばらくしてようやく口を開くことができた
「…こないだは、ほんと、ごめん。俺余裕なくて、ひどいこといっぱい言って、八つ当たりして、本当に悪かった。」
桜に口を挟ませないようにそこまで下を向いて一気に喋った
すぐに桜の返事が返ってきた
「俺もごめん。お前にあんな顔させたかったわけじゃないんだ。」
わかってる。おまえが優しい奴だってこととっくに知ってる
「桜が謝ることない。…もう話せなくなるかと思った。」
「…俺はずっとお前のそばにいるよ。」
ドキッとした。
それはどういう意味?
幼なじみとして?
友達として?
ちらっと顔を見たが表情が読み取れない
どう返したらいいかわからなくて黙り込む
「なあ、おまえの好きなやつってどんなやつ?」
唐突にそう聞かれた
どうしようかと思ったが素直に答えることにした
いくら好きな相手が自分だと知らないとはいえ本人の前で言うのは少し恥ずかしかった
「…すっごいかっこよくて、優しくて、鈍感で、自分のことは後回しで、いっつも人のことばっか考えてるようなやつ。」
「…そうか。………そいつ付き合ってる奴いんの?」
「…付き合ってないけど、好きな人はいる」
俺はいつも見てた。ずっと。だからわかった。お前が誰を見てるのか。お前の視線の先にはいつも晴人がいた。今も。
最初は半信半疑だった。でも桜の好きな人が男だと聞いて確信した
やっぱり晴人だったんだ。と
「…そうか。」
また沈黙が訪れる
今度は桜が口を開いた
「…なあ、俺と付き合わね?」
信じられない言葉とともに。
「…え…」
とっさに頭を上げた
「俺も振られたんだよ。だから…相手のこと忘れたいし。お互いふられたんだったらちょうどいいだろ?」
晴人が好きだということに気を取られたが、確かに振られたと言っていた
晴人の代わりだということに胸が痛まないで訳ではない
でももしかしたら俺のことを好きになってもらえるかもしれない
友達に戻ろうと思っていたはずなのに
桜の言葉一つで俺の心は揺れ動く
「…いいよ。俺も忘れようと思ってたし」
正しい答えなんてあったのだろうか
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
15 / 17