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出会い
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「さっそくだが自己紹介してもらうぞー。一番からな」
そうして一番から順に自己紹介が始まった。
元々人の名前を覚えるのは得意だったから一回聞けば覚えられる。知らないやつの名前と顔を頭の中に押し込む。
おし、覚えた!!
「次五番ー」
「あっ、はい!えと、柏木圭太です!好きな食べ物はハンバーグです!」
「…ガキか」
ナカセンの言葉にどっとクラスから笑いが起きた。少し恥ずかしくてへへへ…とごまかすように笑って椅子に座った。
そしたらまた隣のやつと目が合った。
「な、なんだよ」
ジロっと見られたと思ったらそのまま何も言わずに前を向いた。
いやいや、なんか言えよ!感じ悪すぎだろほんと…。
そうこうしてるうちに隣のやつの番になった。
「…小日向涼」
一言それだけ言うとガタッと椅子に座りポケットに手を突っ込み周りを睨みつけるようなそんな態度をしていた。
「柏木みたいに好きな食べ物でも言えば笑い取れんぞ。あ、柏木はすべったけどな」
「べ、別に俺笑いとってないっすよ!てかすべったのか…」
シーンと静まり返っていた教室にまたクラスの笑いが響いた。
というか、ほんとこいつなんなんだ。
チラリと改めて小日向を見た。肩ぐらいの金髪にハーフアップ。そして目つきが悪い。一言で表すならヤンキー。学園ドラマとかでよくいる不良とかこんな感じだもんな。
確かクラス替えは一回きりで残り二年はこのクラスだ。…こんなやつと一緒のクラスでやってけんのか俺。
二年になって早々、俺はこの先の高校生活が不安になった。
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