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片手で眼帯をおさえたまま黙りこまれてしまう。
さっきまでの雰囲気のままやっときゃよかったかな。
「ごめんごめん。でも目立つだろー?うちの学校ガラ悪いの多いしさ。」
「…でも、外せないし。」
「まさかホントに厨二病じゃないよな?」
「それは違うけど…いや、外せないレべルで腫れてて。」
そう言われて顔をじっと見る。
さっきはよく見えなかったから気づかなかったけど、ちゃんと見ると顔のあちこちに傷がある。
…まさかの喧嘩か?
「変なやつに絡まれた?」
「…えっと、…駅の、駅の階段から落ちて。顔面強打…みたいな。」
「うわぁ…それで眼帯か。災難だな、そりゃ怪我でもしないとつけないよなぁ。」
「悩んで…1番、いい方法だと思ったんだけど。」
「んーそれじゃさ、絡まれたら一回外してこうなってんの!!って見せたら逃げるかもよ?」
我ながら名案だ。
指をさしてそう言うと、羽白が考え込むように俯き手を後頭部に回す。
目を隠していた眼帯がずれて顔が見える。
「…こうなってる。」
「これはこれは…洒落に、ならないな。」
右目全体を覆う痛々しい青あざ。
これは俺でも隠したくなる。
…でも、ここまで酷かったら本当に逃げていきそうだな。
「ごめん、もう隠していいよ。」
「ん…ありがと。採用する。」
「ま、何かあったら俺に言えよーここまで関わったら見放したりしないしさ。それじゃ、改めてこれからよろしくー!」
「あ…よろしく。」
笑顔だけは可愛いやつだ。
普通。
本人が階段から落ちたと言えばそうだと思うし、怪我をしてれば心配になる。
それが普通。 皆そうだ。
そうだと 思ってたんだ。
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