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高校生になりました 3
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目の前には大きな門が広がっていた。
見上げる程の大きさに首が悲鳴を上げている。
誰もいない…
さっき春輝さんは居るって言ってたのに…
暫く、キョロキョロして中の様子を見てみるが人の気配はない。
「…あの、何方かいらっしゃいませんか?」
そっと声に出してみるも無反応。
不安になって服の裾をぎゅっと握った。
「転入生の登場だぁ!これは非王道の主人公になる可能性大!!」
「…ふぇ?」
どこかで声がした気がして首を傾げる。
何か言っていたが聞き取れなかった。
誰かいるなら出てきてほしいのに…
「あの、どなたかいらっしゃるのですか?」
「・・・・・・」
もう一度、声を掛けてみるもやっぱり無反応。
「気のせいだったのでしょうか…?」
このままここで待っていればいいのかと、
もう一度門の奥をじっと見つめていれば、
遠くにある校舎から人影が出て来るのが見えた気がした。
気がしたというのは、門と校舎はかなり離れているため正確なことは分からないからだ。
急に緊張し始める。
家族意外と話をあまりしたことがない僕にとっては,
他人と話すことだけでドキドキと胸がうるさくなる。
相手は僕に気付いたのか、小走りで来てくれた。
「お待たせしてしまい、申し訳ありません」
門を開けてもらい中に入る。
僕を迎えに来てくれたのは美形の眼鏡の掛けた生徒だった。
きっとこの人が春輝さんの言っていた副会長さん。
とても綺麗で知的の雰囲気な人。
「いえ、わざわざすみません。ありがとうございます」
ペコッと頭を下げれば彼はニコッと爽やかに笑う。
でも、どこか違和感がある微笑みに首を傾げた。
「理事長からお話は伺っています。申し遅れましたが、私はこの学園の副会長を務めています。西条 翔(サイジョウ カケル)と申します」
副会長さんの自己紹介を聞いて僕も慌てて名乗る。
春輝さんに『挨拶はしっかりしなさい』と言われたことを思い出したのだ
「初めまして、櫻野(サクラノ) 玲依です」
「礼儀正しい方ですね。よろしくお願いします櫻野さん」
「こちらこそ、よろしくお願いします!」
「では、行きましょうか」
副会長さんの後に続き、僕はトコトコと歩き始めた。
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