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いつもと違う風景
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「おはようございます、アルバート様。」
「あぁ。」
ユージンは自分の席に向かい、いつものように書類作成を行おうとするといつもと違うことに気が付く。執務室から見える中庭に黒髪の少年がいることだ。
「アルバート様……あれは」
「あぁ、ずっと部屋に閉じ込めるわけにもいかないしな。俺が仕事してる間は中庭と執務室で過ごさせるようにした。
あれもあそこが気に入ったようだしな。」
「ふふっ、まるで"父親"みたいですね。」
「む…まだそんな年じゃない…」
「まぁ、いいんじゃないですか?昨日の今日ですし、その方があの子も早くここに慣れてくれるでしょうね。」
カリカリカリ…とペンを走らせる音がなる執務室にぺたぺたと可愛らしい音が近づいてくる。
ふっと顔を上げると、机越しにルーナが手を伸ばしていた。手元を見ると3輪の花が握られていた。
ルーナは脚をもじもじさせながら
「ぁ…アル様、これおはな…どうぞ…」
「っ!…あ、あぁ。貰おう。」
次にユージンのところへ向かい
「お、はよ…ございます、ユージン様…も
お花、どうぞ…」
「ふふっ、おはようございます、ルーナ。
ありがとうございます。」
ルーナはニコッと仮面の下で笑うと、てこてこと中庭に戻っていった。
「なんですか、あの可愛い生き物は!」
「あ、ああ、俺も驚いている。
……俺は3輪貰ったぞ。」
「おや、私はピンクの花を頂きましたよ?
気持ちと言うのは数ではありませんね?」
「む…」
中庭に向かったルーナは執務室でいい大人がこのような会話がなされていることを知らない。
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