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「あ、そういうことですか。ビックリさせないでくださいよ」
「あぁ、会計の恋人をマジもんで奪ったのかと思ったぞ」
「そうだ!言い方ってものを気をつけろ」
会長はそう言いながら、ブツブツと文句をたれている。
「会計はまだ絶対に高橋さんのことが好きだ。チャラ男はね、意外と本当の恋には純な人が多いんだよ。会計が高橋さんとヨリを戻せばマリモの手数は減る」
ピンポーン
「あ、食堂からですかね?僕が出ます」
柳は立つと小走りで玄関に向かい、しばらくしてから封筒と袋を持って戻ってきた。
「皇さん、教頭先生からだそうです。あと食堂からのお弁当です」
俺は封筒を受け取ると蓋を開けて、中身から冊子を取り出した。
「あぁ…今現在までの情報か!
マリモ派には教師も結構いるな。生徒もまぁ、同じような感じだな。でも、マリモに好意的というよりは、マリモの権力が怖いという感じだな」
あ、生徒会についてもまとめてある。
「副会長…嵐山楓!?」
「ごふっ!?」
「ど、どうしましたか?」
「弘人きたねぇな」
「嵐山楓の嵐山って、嵐山ホールディングスだよな?」
「なんだ。知り合いなのか?」
「嵐山の現社長は俺の父のことを崇拝してんだよ。毎回毎回、新製品が出来たら何であろうと絶対に社長自ら会いに来て、新製品を献上して帰るんだ。そのときに嵐山楓も一緒にくっついてきていた」
「ごぶっふっ!!!」
「だから、弘人きたねぇってって言ってんだろうがっ!!」
「それに絶対!嵐山楓は俺のことを嫌っている。あいつ、小さいのときに俺に向かって“餓鬼菌が移ります。近寄らないでください”って言ったんだぞ!
だいたい、あいつなら俺に気づいてるはずだ。それにも関わらず自己申告がない辺り、かなり俺のことを嫌っているからだろう」
「ほぉ、楓とそんな関わりあったなんてな。興味深いな」
「え、もしかしてあの噂の君って皇さんのこと?でも、嫌ってるなら違うのかな…」
「噂の君?」
「はい、一時期噂になったんです。副会長には幼い頃から片思いをしている人がいるって…その噂に関して副会長は肯定したので、副会長の親衛隊がヒートアップして止めるの大変でした」
「確か、楓の噂の君はアルビノだったはずだ?皇じゃないな」
幼い頃、アルビノ……
「まさかそれって…琉兎(ルウト)じゃないか!?」
「それは誰なんだ?」
「よく俺の家に遊びに来てたアルビノの一般人の男の子だ。俺が外国に行くようになってからは疎遠になっていた」
「そいつと楓は今、連絡を取り合っているのか?」
「琉兎の連絡先知らないしなぁ…今、どこに住んでいて何をしているのかもわからない。琉兎の家はタチの悪そうなヤクザに借金してたしな…」
「何でそのとき、助けなかったんだ!?」
「そのときに琉兎がそれを望まなかったから」
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