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中学生編 2
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あれから毎日あーちゃんから"あの人"の話を聞かされる。
"あの人"は人気者だからいつも周りに人がいて、時には危ないファンに襲われる事がある。
そのくせ自分を守らなきゃいけないっていう自覚が無くていつもあーちゃんが守っている。
守ってやらなきゃって思う。
そんな話をニコニコしながらあーちゃんは僕に言う。
僕は黙ってあーちゃんの話を聞くけど、本当はそんな話聞きたくない。
あーちゃんは僕だけのヒーローだと思っていた。
そのあーちゃんがほかの人のヒーローになる。
嫌だったけどあーちゃんにはそんな事言えない。
あーちゃんに迷惑はかけたくない。
あーちゃんの事が大好きだから。
「あーちゃんはその人の事、好きなの?」
「あぁ、好きだ。」
僕が思い切って聞くと、迷いもせずに帰ってきた返事。
僕があーちゃんを想う様にあーちゃんも"あの人"を想っている。
それなら僕は応援しよう。
僕にはあーちゃんの幼なじみで充分幸せなのだから。
***
ある日、あーちゃんが、"あの人"を連れてきた。
「しのぶ、こいつが前から話してたやつ。如月 涼。」
「こ、こんにちは…」
あーちゃんが言う通り、凄くかっこいい人だった。
僕とは違って背が高くて、線は細いけどちゃんと男の人って感じで王子様みたいだ。
「君が忍くん?梓馬から聞いてたけど、本当に可愛いね。」
そう言って爽やかなスマイルを見せてくれる。
あーちゃんから何を聞いていたのかは分からないけどあーちゃん以外から可愛いなんて言われたのは初めてだ。
こんな僕にも笑いかけてくれる、あーちゃんが言う通りやっぱり優しい人。
あーちゃんが好きになっちゃうのもわかる気がする。
僕に無いものを全部持っている。
「ありがとうございます…」
あーちゃんが好きになったのがこの人で良かった。
この人となら、あーちゃんきっと幸せになれるよね。
高校生編 完
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