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付いてこい。
そう言われ、部屋を出て大人しく篠田さんの後を付いていく。
たまにすれ違う人に篠田さんは挨拶される。
若、だったり頭、だったり呼ばれながら。
どういう意味かは知らないけど強面の人に挨拶されて敬語を使われているのに堂々と受け答えする篠田さんを見て、篠田さんは偉い人なんだって事だけは推測できた。
だけど、その挨拶する人達はみんな俺を見て睨み付けてくる。
人によっては殺意を剥き出しにしてくる人もいた。
それが怖くて篠田さんの服をきゅっ、と掴んだら篠田さんは
「此奴は俺達に害を与えるような奴じゃねぇから安心しろ。」
と、その人に一々説明してくれた。
俺のことを気遣ってくれるのがわかって、嬉しくて、でもこんなこと初めてだからどうしていいか分からなくて、顔を伏せた。
「でも、刺客だったら…ッ」
と反論をあげる人がいれば
「俺が大丈夫というんだから大丈夫だ。余計な心配をするな。 」
と、俺を守るように言ってくれた。
似たような会話を2、3度繰り返して着いたのはお部屋だった。
先程のような襖ではなく、しっかりとしたドアだから和室ではないことがわかる。
「ここに居んのが俺の親父。
前までは頭をしていたが今は受け継いで俺が頭だ。
お前は聞かれたことにだけ答えとけ。余計な事は言わなくていい。俺がうまくやってやるから。 」
俺を安心させるような笑みに心がぽかぽかした。
生憎、自分は知らないことが多すぎてこの感情をどう表していいかわからないけれど。
「親父、入ります」
ガチャリ、と篠田さんがドアを開けた。
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