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ピリリリリ…と電子音が鳴った
悪い、と言って篠田さんが俺から少し離れたところに移動した。
置いてかれた訳では無いと分かるから俺は大人しくその場で待つ事にする。
会話は聞こえないものの表情はここらかかろうじて見られる。
口論になってる…?
心配になるも自分は何も出来ない、それがわかっているからぬいぐるみを強く抱き締めた。
「くまのぬいぐるみだから…くーちゃんね」
ぼそっと自分にしか聞こえない声でぬいぐるみに命名した。
名前をつけると愛着がさらに湧き大事にしようと決める。
暫くして電話を切った篠田さんがこちらに戻ってきた。
「悪い、トラブルがあったらしくて1回組に戻らないといけなくなった」
それは、このお出掛けを終わらせる告げ。
ずきん、と胸が内側から痛む。
ずっと篠田さんと一緒にいたいと思っている自分にとっては悲しい知らせ。
だが仕事となれば仕方ないと割り切って下手な笑みを浮かべた。
「そんな悲しそうな顔すんな、一回戻るだけだ、時間はかけないつもりだから」
言わないでも見抜いてしまう篠田さんは凄い。
そして、俺の嬉しい言葉ばかりくれる。
さっきは胸が痛かったのに今ではほんわりと暖かく思う。
篠田さんの言葉に一喜一憂。
でも、一喜があればどんな一憂でも吹っ飛んでしまうのだから篠田さんにはなにか特別な力があるのではと思う。
「わかった…待っててもいい?りっちゃんの所で」
この篠田さんに対する感情をりっちゃんなら知ってるかもしれない。
篠田さんに、聞いて嫌われてしまうのは避けたいし、りっちゃんなら答えを教えてくれそう。
そう思って言った言葉を篠田さんは了承してくれた。
「あいつも真も、サンドウィッチくらいなら作れるかもな…パンとタマゴとか、そこら辺のもの、買ってから行くか」
俺が暇にならないように、そして為になることを提案してくれた。
あんな美味しいものを自分で作れるか不安だが篠田さんがやれるというのならやれる気がする
あまり時間をかけられないため、余計なものは見ずに必要なものだけを買い、組へと急いだ。
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