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力翔が帰った後もしばらく考え続けていた。
山口組の事も月希の事も図ったかのように重なりやがる。
真も、どうして本当のことを言わなかったんだ。
確かに決めつけていた俺も悪いとは思うが、自分のことを喋れないほど弱っちいものを拾ったつもりはなかったのに。
どちらもすぐには解決しない問題に、腹が立ち頭をガシガシとかく。
こんなに精神が乱れるのは珍しいと自分でも思う。
真の前では吸わないようにしていたが部屋が違う今ならいいかとタバコを取り出して火をつける。
すうっ、と吸うと少し苦い、だがそれがいい。
タバコを半分程堪能していた辺りでがちゃり、と自分の寝室のドアが控え目がちに開いて、中からこちらを覗いている。
「どうした」
見つめあってたって仕方ない、話しかけられないのならとこちらから声を掛けてみた。
10も歳下の奴のことなんて分かるわけもない。
俺達に必要なのは言葉。
こんな仕事をしていて言葉なんか信じられるはずもないのにそんなことを思っている自分自身に何故か笑いが込み上げてくる。
「…篠田さんは、式波さんが好きなの…?」
「はぁ?」
あまりに唐突すぎる質問に思わず声が出てしまった。
力翔の奴、余計な事言ったんじゃねぇだろうな…
「俺が誰を好きだろうと関係ないだろ」
俺が山口組の娘を好きになれなかったところで縁談を断る理由にはならない。
利益のため。
そんな事のための縁談なんて面倒臭くて仕方が無い。
言ってからこれはただの八つ当たりだ、と気付いた。
何やってんだか。
「かんけ、ないけど…知りたいというか…あるというか…」
ごちゃごちゃうるせぇなぁ。
すっと立ち上がって真の方へと踏みよる。
駄目だこれ、自分を抑えられねぇ。
「知ってどうすんだ?
キスマつけて、あいつのものにでもなったつもりか?
笑わせんな」
少し空いている隙間から手を差し込み真を捕まえる。
別に真は俺のものじゃない。
ただ、他人の印があるのは、気に入らない。
ぐっ、とその月希が付けた跡を力強く押してみると、痛みからか真の顔が歪んだ。
「い…たッ、離してッ!」
暴れて俺から逃げようとする真が心底気に入らない。
男が怖い筈の真。
本来ならば今日のこともあるんだから優しくしなきゃならない。
そんなことは思っているだけで今自分がやってるのは、正反対のこと。
抑えようともしない俺は真をベットの上へと突き飛ばし、真の上へと乗り上げた。
「そんなに男に飢えてんなら俺が与えてやるよ。
嫌という程な。」
恐怖からか涙を浮かべて逃げようとする真が堪らない。
いじめ倒して、俺だけだと縋らせたい。
独占欲と支配欲。
自分の中で黒く渦巻いているのがすごく良くわかる。
真は俺の物だと、俺のという印を刻み込みたい。
止まらない。
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