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24 (結城 和総 side)
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眠れないという悠に違和感を覚える。
チラリ、と前髪の隙間から時折見える悠の目には酷く黒いクマがある。
瞬きの回数もかなり多く、明らかに眠そうだ。
それでも眠ろうとしないのはなにか理由があるのか、それとも〝不眠症〟だろうか。
まだ断定は出来ないが、悠の様子を見る限りその線が強そうだ。
「 よし、一緒に寝るか」
そう言いながら悠の布団に一緒に入る。
普通、男2人が同じベッドに入れば窮屈なはずなのだが、全然それを感じさせないのは、悠がとても細いからだろうか。
「 ぇ、いいの?┈┈かずにぃ、学校は?」
「 あぁ、いんだよ。今日は悠のそばにいる。」
ぽんぽんと頭を撫でてやれば、スリスリと手に頭を擦り付けて来て、まるで猫のようだ。
「 あぁそういえば、金城に礼、言っとけな?」
「 ┈┈?金城くん??」
「 悠が倒れてるって連絡くれたの金城なんだよ。すんごい心配してたぞ」
「 そか、お礼、言わないと。金城くん┈優しい人でよかった┈┈┈。」
その後すぐにスースーと寝息をたてて悠は眠った。
さっき飲んだ薬の副作用だろう。
悠の寝顔を見ながら思う。
昔とは明らかに違う、
もちろん6年以上も経っていれば人は変わる。
しかし、食事も睡眠もあまりとれていないようだし。
そして何より気になったのは、
全く笑わなくなったことだった。
俺のいない数年間に何があったのか┈┈
────それを知るのは、まだ先のこと。
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