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遅れてきた誕生日_6
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「何見る〜?」
軽快な電子音がなりながら、家から1番近いレンタルショップに入る。
暖かい暖房と、最近発売されたシングルのステップに迎えられながら何となく決まった道を進む。
「んーあ、これどうですか?去年やってた奴なんですけど」
そう言って雄高さんに見せたのは猫耳カチューシャをつけた二人組の男女のケースだ。
『夜と黒猫』と金色に縁取られた題名の上には、猫はどっちだー、というキャッチコピーが貼ってある。
一見ラブコメの様な外見だが、中身はごってごてのサスペンスである。しかも終わり方が議論が起こるほど、何とも言えない気持ちになるらしい。まぁ少しラブもあるらしいのだが。
「あーあったな、そういえば。俺も気になるからそれにするか」
「はい」
ケースからディスクだけを抜き出し、そのまま雄高さんに続いてやや狭い通路を進む。
海外映画のコーナーを超えて、邦画に入ろうとした時、二人組の男が向かい合う表紙のケースが目に留まった。
それは6年前に映画化された作品で俺もインターネットで借りて見た事があるが、店頭にそれが置かれらているのを見るのは、初めてだった。
題名は『大人になれば、』。レイトショーでしかやっていなかったにも関わらず一部では物凄く話題を呼んだ、言葉を借りるなら、BL映画である。
その時見た記憶と、当時の俺の状況が自然と思い出されてひどく懐かしくて、遠い気持ちになった。
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