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闘神さまが微笑った-6
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「あ~よかったー」
壁に貼り出されたトーナメント表を見てホッと息をついていると頬っぺたに冷やりとしたものが押し当てられた。
「シロ!」
「何が良かったんだ?」
「何でもない」
俺の1回戦の対戦相手は、花の人の大学じゃなくて他県の空手教室の所属になっていた。
どんな人と当たるかわからないけど花の人には絶対勝てる気がしないから。
ちなみに俺は今日は「沢井流学園大学」の所属。
別に「沢井流本部」で出てもいいってシロは言ったけど、あえて「沢井流学園大学」で。
「半分こするか?」
ガサガサッと袋を開けてシロが取り出したのはパピコ。
しかも俺の好きなコーヒー味!
「食べる~!」
口に含むと微かにほろ苦い甘さが広がって、本番前の緊張感が和らいだ。
モスのシェイクとパピコはコーヒー味に限るっ!
「シロは今日出る?」
「俺は人数調整で板割りに回されたよ」
トーナメントを組む関係で、沢井流の人間は希望の競技ではなく他に回される事も多いけど、シロは何でも得意だからいいんだ。
「型部門、男子青年色帯上級に出場の選手の方は――」
パピコを半分食べ終わった所で、俺の部門の招集が掛かった。
「俺の試合終わるまでシロが持ってて」
半分残ったパピコを預けたら、シロはそのまま口に放り込んでしまった。
「あ……」
「また後で新しいの買ってやるから」
溶けたの食べても美味しくないだろって言うけど、そこじゃないんだ!
みんなが見てる前で平然と俺の食べかけのアイスを口に入れるのが恥ずかしかったんだ!
シロの口元を凝視していると「ほら、さっさと行かなきゃ」と追いやられてしまった。
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