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じぃやは心配性 その2
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じぃやが淹れてくれる甘いココアはとても落ち着く。
特に夜に淹れてくれるココアはほんのりと甘くて、とっても暖かい気持ちになれるのだ。
僕はココアが大好きだから、おやつの時間にもココアを頼んだりする。その時はおやつに合わせて甘めだったり、ミルク多めだったりとじぃやが気を利かせて美味しいココアを淹れてくれる。
ぼくもこんな風に咲先輩に何か出来たら良いのに…
ふと、そんな風に思った。
今までは誰かに世話をされるばかりで、誰かのお世話をするなんて意識したこともなかった。
「ねぇ、じぃや。誰かの役に立つって難しいね…」
「もちろんです。相手のことを全て理解するなんて誰にも出来ませんから。」
「…じぃやでもそうなの?」
「はい。」
じぃやは僕のことは何でも分かってくれているなんて思ってたけど、そんなじぃやでも、僕のことで悩んだりするのかな…
「じぃや、僕はじぃやが居てくれて嬉しいよ。」
「…ふふ。透李様は本当に優しい方ですね。私も透李様のお世話が出来て、とても光栄です。」
じぃやが本当に嬉しそうに微笑んでくれるから、僕まで嬉しくなった。
「補佐役は大変ですか?」
微笑んでいた筈のじぃやが真剣な顔で僕を見つめていた。
多分、自分が言い始めたことで僕を苦しめてるんじゃないかって不安なんだと思う。
「…お手伝いしたいけど、邪魔じゃないかなとか色々考えちゃってよく分からなくて…。
僕は誰かのためにお世話なんてしたことないから…」
「どうすれば会長様に喜んで頂けるのか、残念ながら私には…。ですが、透李様の優しさに私は何度も助けて頂きました。」
「僕は何も…」
「大きなことをする必要はないと思います。素のままの透李で充分素敵なのですから、思った通りに動いてみては?」
「………ありがとう、じぃや。」
その日はじぃやが帰るまで、咲先輩に何をしたら喜んでもらえるのか思いつくままにずっと話し続けて…
少しだけ、モヤモヤした気持ちがすっきりしたような気がした。
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