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パーツ 11
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「遅くなったけど 山科君。お昼にしてきて良いよ。」
真弓は倉庫の階段を降りながら 先を行く千春に 声をかけた。
うなじが 綺麗だな。
はっ! どこを見ているんだろう 僕は。
すると 後ろを見ずに
「ぶ 部長は?食べないんすか?」
「あぁ あ ありがとう。又お客様が来るかも知れないから。」
「じゃ じゃあ 部長 お先にどうぞ。」
「いや 良いよ。僕は 後で 出前でも頼むから。今日は何だか ラーメンでも食べたい気分だから。出前。出前を頼むから。」
「じゃあ 大変申し訳無いっすけど お、俺 食堂で 食べさせて頂きます。」
そう言うと 山科千春は 走って本社の建物に消えた。
ふーっ。
何だろう?何でこんなに緊張するんだろう?
真弓はゆっくり歩いて トイレに向かい 用を済ませると 顔を洗った。ペーパーで顔を拭き 鏡を見る。
気合を入れて 顔をバシバシ叩いて サービスフロントに向かった。
やはり昼時とあって 客も途切れたようだった。
サービスフロントに隣接した 新車展示スペースでは テーブルと椅子に座って セールスが 商談を行っている。
真弓は 机に座り 宅配され 納入された部品を PC入力する作業に没頭した。
すると 何か 騒がしい。
新車展示の スペースで 喧嘩?
誰がが 怒鳴っているようだ。
お客様の ご機嫌でも 損ねたか?
でも商談をしていて あんなに 激高するだろうか?普通のお客様みたいだったけど。それとも ヤ〇ザが 居直ったか?
サービスフロントも ただごとでは ない 雰囲気に 新車展示スペースを覗いている。
「責任者 出てこいやっ!!バカヤロウ。てめえは誰だ?所長なんか用はねぇ!」
僕も思わず 席を立ち 声のする方へ 行ってみると 更に怒鳴り声が聞こえた。
女の子が 震えながら 避難してきた。
「誰が来てるの?」
「あっ 山手部長。部品の責任者か社長を出せって お客様が 大変 お怒りのご様子で」
「部品?何?新車ご購入のお客様じゃないの?」
すると更に 怒鳴り声が。
「部品の山科の上の奴!居るか?出てこい!山科の上司っ!」
「どうやら 僕に 用事のようだね。
行って来るよ。」
「大丈夫ですか?
警察呼びますか?」
女の子が 震えながら
問いかけるが
「大きな声出してるだけだから 警察呼んでもね。とりあえず 僕が対応するよ。」
震える女の子や 営業所所長 セールスマン サービスの人間達が 見守る中 その男に 近寄った。
「お待たせ致しました。部品の責任者の山手真弓と申します。どうぞ あちらへ。こちらは新車展示場になっております。部品についてのお話でしたら サービスフロントに。」
仁王立ちしている お客を サービスフロントの テーブルに誘って座らせた。
「私 部品部を総括させていただいております 山手真弓と申します。」
名刺を差し出した。
すると
「あんた責任者か。山科千春の上司だな?」
今まで 山科千春の名前が出ても 誰も山科千春に非が有るとも 思わないことに 何だか ザワザワした 気持ちになる。
誰一人 山科千春とこの怒鳴っている男と比べて この男に 非が有ると信じて疑わない。
この男は 山科千春の上司を指名している。普通に考えれば 山科千春が不始末をしでかして 責任者出てこい の図式。
しかし 警察を呼びましょうか と 心配するくらい この男が 悪者になっている。
「山科千春は私の部下ですが 何か ご不満の点でもございますか?山科に代わりまして 上司である私がお話を承ります。」
男は僕の名刺を 見ながら
「俺はよ 〇〇にある〇〇運送の経営者だ。横浜営業所でよ 山科千春から部品や系列品を買っていたんだ。アイツが気に入ってるからよ。今日横浜営業所に行ったら 転勤だとか聞いてよ。何かやったのかよ。戻せよ。俺はアイツからしか 買いたくねぇ。何で 異動なんかさせるのよ!お前が決めたのか?この営業所に移ったって 聞いてよ。確かめに来たのよ。何で転勤させたんだよ。こんな処に異動なら 俺の会社にヘッドハンティングだ。
今 山科千春は給料幾らよ?
お前上司なら知ってんべ?直接交渉といこうじゃねぇか。山科千春を俺にくれよ。部長さんよ!幾ら払えば アイツを手放すのよ?ああ?会社に払えば 良いのか?お前に払えば良いのか?ああ?どっちだ?こら?ああ?聞いてんだよ。うんとかすんとか言えよ こら。
俺はよ 山科千春に 月々50まで払うって 言ってるのよ。ここは 俺んとこより 給料良いのかよ?」
はてさて
ここにも 山科千春に
惹かれる 人間が居たのか。
山科千春。
困った男だ。
何人の人間を 夢中に すれば………
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