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四人目
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「え…?」
まさか、こんな少年がイルだとは思わなかったらしい。
「ですよね?"イズ"さん」
「……ああ」
出雲はその言葉を肯定した。
「カグラ、俺は……」
「分かってる」
カグラは言った。
「一度だってアンタは"俺"を見ちゃいなかったもんな」
「!」
それを知ったイルは、出雲の頬を引っ叩いた
パァン、と音がして 出雲は自分の頬を押さえた。
「アンタ、馬鹿じゃないの」
イルは言った。
「アンタもだよ、カグラってアンタ。
何でボクの存在をイズから消そうと思わないワケ、二人とも馬鹿じゃないの」
ロゼッタはただ、傍観していた。これはイルの問題。
自分が口をはさむわけにはいかない。
「珍しく性悪のボクを抑え込んでイズをアンタに渡そうと思ってたのに
ねえ、何コレ。ボクをからかってんの?」
「イルさん…」
カグラがイルに近付いた
「アンタね、ボクは確かにそこのイズを探してたよ?ボクとイズは前世での恋人だったし」
「前世……」
それじゃ、と顔に出しているカグラをイルは叱り飛ばした
「だーかーらーっ!ボクは見ての通り性悪!
アンタからも奪おうと考えたりするヤツなの!分かる!?
そんな奴にどーして渡そうとするのかなーっ!!」
イルは怒っていた。本気で。
「アンタとボクは正反対だよ。性格良くて、物わかり良くて、
綺麗な黒髪で、イズと釣りあってて!だから珍しく諦めよーなんて思ってたのに」
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