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休日 【ロゼッタ視点】
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お菓子のクッキーが焼きあがった頃。
「弓弦、いるか?」
弓弦(ユヅル)。それが、私の本当の名前。
「ゆ、弓弦…?」
カグラさんが驚いて私を見ていた。
「はい、います。早かったですね、兄さん」
玄関へ向かった。
そこにいたのは、一組の夫婦。
「一週間ぶりだな」
「はい。義姉さんもお久しぶりです」
「久しぶりね!あれ、一段とかっこよくなったんじゃない?」
「兄さんの方がいい男でしょう?」
…今の、私の相手である兄は既婚者だ。
それが、何よりも私の相手である証だった。
「言うようになったな…!」
「事実ですもん、ねえ?義姉さん」
「ね」
笑い合う私達。私の中には、真っ黒な感情が潜んでいる。
決して私を見ないのが、"兄"だった。
私がいくら想っていても、それが叶わないのが兄だった。
「…あの…」
「あ、カグラさん。私の兄と義姉です」
「「こんにちは」」
「こ、んにちは…」
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