アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
-
16※
-
いつ、いつだろう…
郁也はいつも事の終わりを考える。
何か辛い時や、逃げたい時、その状況がいつ終わるのかを考える。
今もまさに、その時だった。
服を脱げと言われ、抵抗したものの結局圭吾の仲間によって脱がされ、あっという間に全裸になった郁也を男子生徒たちはオモチャのように蹴ったり殴ったりを繰り返している。
寒さ、痛み、恐怖。様々な苦痛が郁也を襲い、体は震えていた。
顔はバレると面倒だからと、腹や腕、足を痛めつけられる。
抵抗するのも面倒になり、郁也はされるがままに終わりを考える。
あ、奏多…、連絡してないや…
いや、そもそも奏多の連絡先知らない。
今日会ったばっかだし、当然かな。と思いながら男たちの止まない攻撃に耐え続けた。
始まって20分弱。
男たちも飽き始めたのか殴る拳にもあまりの力は入っていない。
とはいっても痛いものは痛い。
内出血を起こし青く晴れているところを何度も一定の力で殴られる。
痛いに決まっている。
郁也は顔を歪めて耐え続ける。
その時だった。
「なにしてんの?」
聞き覚えのある声がした。
しかし郁也は信じられなかった。
これは幻聴に違いない。
なぜならその声の主は今ここに来れるような人ではないから。
期待しちゃいけない、期待しちゃいけない
そう言い聞かせながらも期待を胸に恐る恐る声のほうを見た。
「か、奏多…?」
奏多だ。
すらっと伸びた手足に輝く金髪、吸い込まれそうなほど美しい瞳を持つ者。
間違いなかった。
途端に郁也は嬉しくなった。
訳はわからない。どうしてここに奏多が来れたのか。これが一番の難点だが、今はそんなことどうでもいいように思えた。
奏多が助けてくれる。こんな僕のために…!
嬉しさと期待で目に涙が浮かぶ。こんな救われた気持ち初めてだった。
闇の中で光を見るとはこんな気持ちなのだろうか。
「なにしてんのってきいてんじゃん?」
突然奏多が近くの小さなゴミ箱を蹴り、圭吾たちを見つめる。
大きな音に思わず郁也もびくっと肩を震わす。
「いや、こ、これは…」
「躾ぇー」
男が吃る間に圭吾があの気だるげな声を出して奏多に答えた。
「躾だよ〜いくやくん俺らに対する態度がなってないからさぁ?」
宏行もいない今一番は自分だと過信している圭吾が調子良さげに奏多を挑発する。
「躾ねぇ。やり方がおかしいんじゃない?」
奏多はため息をつき郁也の方に歩み寄る、のかと思えば水道へと向かっていった。
郁也は不安でいっぱいだった。
どうしてそっちにいくの?
嫌な予感がした。
何かはわからないが、とても嫌な予感がした。
「ねぇー躾のやり方はさ、飴と鞭がいるんだよ。知ってる?」
奏多の小馬鹿にするような声が男子トイレに静かに響く。
圭吾も他の男子生徒も奏多がなにをし出すか予想ができずにただただ奏多の次の行動を待っている。
すると奏多は床に落ちていたホースを持ち上げた。
皆が奏多の行動に注目する。
意図が組めないその行動。
しかし郁也はその行動を見て鼓動が早くなったのを感じた。
まさか、
「裸にして鞭を教えたなら、ちゃんと体洗って飴を教えてやらないとね?」
奏多はおきまりの王子スマイルを郁也に向けた。
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
19 / 23