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二重人格の代償
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それから、俺は少し長い話を聞いた
魔王がまだ幼い時、天界の天使の持ってきた聖水を飲んでしまったこと
それは魔界の大人達が少々飲むぶんにはお酒の様で
まだ小さい子供が飲むと身体の中の魔族の血がその成分に打ち勝とうと活発になってしまうということ
しかもそれを、とてもとても薄めてのむその聖水を原液で飲んだこと
先代の魔王の息子であるため、その活動はもっと活発になったこと
何日も苦しみ、ようやく開放された時には
元の自分と
その成分に勝とうとして「悪」の力が強くなった自分との
二重人格になってしまっていたこと
その話を俺はまばたきを忘れてしまうくらいに聞いていた
「まぁ、今は前ほどは無いんだけどねーー。それに……」
「それに?」
「っぅ……前は、二重人格なりたての頃は制御も出来ないほど強くって沢山迷惑をかけたみたいなんだけど……それも、怪我させるとか……ああ、命を奪う……まではしないように周りの人達がしてくれたんだけど……その、まだやっぱり悪が出る時があって」
「それが、さっきの[魔王様]の方なんだな??」
「うん……多分もう血が出る、みたいな怪我はさせないと思うんだけど……」
「だけど……??」
さっきからなんかおかしい
何かを言いたいような言いたくないような感じで喋ってる
「実は……ね??なんか、その悪の方が、さ??超が付くくらいドSらしいんだよね…」
「うん、そうだろうな!?」
そりゃそうだ
さっきのされた本人だし、それはよーーーく分かっている
「んで?それから?」
「え、それからって?……そんだけなん…だけど?」
「えっ??それだけ……か?」
「……うん…?」
この時ちょっと安心してしまったのは、ほんっとに間違いだったとこの時の俺はまだ
知らない
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