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Field Dayー5
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「いやぁ、助かったよ……。三次元の女の子はどうも苦手でね……」
乾いた笑いを浮かべて缶コーヒーを飲む木村に同情心が湧く。
あの後、テントに戻って急ぎの業務を済ませてから、木村の身なりを整えるために俺たちは生徒会室に来ていた。俺がついてきたのは、木村が再び女性に囲まれないためだ。
「会長ってモテるんだな。大変そうだ」
「そうだね。外部の女の子から天綾の生徒はただでさえモテるけど、生徒会長となると家柄が確実に保証されるからね。体育祭とか文化祭行事の時には親衛隊を作るくらいさ」
「えっ?お前、親衛隊なんて作ってないよな?」
「あぁ、なんというか……。俺は容姿がいいわけじゃないし、大丈夫だと思ってたんだよ」
ふうっと溜息を吐く木村の容姿は、優等生って感じで、確かにモテそうなタイプではない。容姿だけでいえば藤野とかのほうが……って、なんでわざわざ藤野を出すんだよ、俺。
「ただのオタクなのに、会長ってだけでこれだけモテるとはね……」
「木村、オタクなの?」
木村に親近感が湧いた。かなりいいところの家の生まれなのに、自分のオタク趣味を隠さず言えるってすげえな。
「そうだよ。でも、さ」
一泊置いて木村は言った。
「君もオタクだろ?『光』ちゃん」
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