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見える弱さ(幸輝)
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――ガチャン
2限からでよかった…。
はるさん、医学科だし。
遊の話聞く限り忙しそうだし。
幾ら4年生だからって、もう居ないよね。
…電気は点いてるけど。
居たりしない、よね?
――とさっ
重っ!何?!
後ろから何か、のしかかって来たんだけど?!
「ゆきちゃん。おかえり。」
うっそ、はるさん…
「僕、拒絶反応大丈夫そうなので
あっくんの所に帰ります。お世話になりました。」
「だめだよ。行かせない。」
その顔は、いつもの優しそうな顔じゃなくて
紛れもないαの顔だった。
怖くはないけど、変な汗が出る。
「なんで、始めからそういう約束だったじゃないですか」
「だって、そう言わないとここに来ないだろう?」
そりゃそうだけど…
「でも、僕はあっくんが…」
「幸輝!!」
初めて名前呼ばれたのと、大きめの声だったので
肩がビクッとあがった。
その肩にはるさんは両手を置いて
いつもみたいに、優しい顔で笑うんだ。
「お願い。行かないで。側にいて。」
僕は、その声で優しい笑顔が
実は悲しいものだってことが必然的にわかってしまった。
ねぇ、どうして?
「はるさん…
なんで、泣いてるの?」
いつも、僕より余裕があって
年上感を感じさせるはるさんが
今日だけは
迷子の幼子の様に
泣いていた。
僕を離さぬよう、痛いくらい抱きしめて。
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【幸輝】
なんで…?
運命の番だったから、可哀想だったから
しょうがなく僕を置いていたんじゃなかったの?
はるさん…。
【作者より】
更新滞ってすみませんでした。
今日からまた毎日更新できるようにがんばります!
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