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「「おぉーーー」」
「綺麗だね」
「ああ、綺麗だ」
会場からのアナウンスはここまでは聞こえなくて、最初の一発から少し間が空いてから二発目が上がった。
それからは大小の花火が連続して上がった。
去年も見たけど、色々な開き方をする花火に目が離せなくて、2人とも空をずっと見上げていた。
「今のハートだな」
「ね、あ、今のドラえもん?」
「そうだな。逆さまで分かりにくかったけど」
キャラクターものの花火が打ち上がるようになると、答え合わせをした。
中には初めて見るやつもあって自分がやっぱり歳をとっているのが分かって。
「この子はどんな物を好きになるのかな…」
上を見ていると、思わずこぼれ落ちたように隣でみちがそう言っているのが聞こえた。
「………私はやっぱり、弓道がいいな」
明るく、まだ上を見ながら自分が大好きな物を言うと苦笑いが帰ってきた。
「……そう言うのじゃなくて。ホント弓道バカなんだから……」
「だって今まで生きてきて一番楽しいもの、なんだから。その子にも教えてあげたいな」
「……教えてあげられるよ、きっと…」
みちの方を目だけで見ると、俺と同じように空を見ていた。
バァァァァァァァン
花火はやがて一輪だけの大きなものになっていた。
「みち」
「何?」
彼の端整な横顔は、打ち上がる花火によってカラフルに光っていた。
彼の足の上にあった手を掴んで、指を絡める。
「…分かってるくせに」
「なに…んっ」
逆の手で彼の頬に手を添えて、自分の体を引き寄せると、彼の唇に自分のを重ねた。
触れるだけのキスをして離すと、もう一度花火が開く音が聞こえた。
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