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結
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光彦はそれから時々私達の家に検診に来た。
もう、神社へと行くことは無くなり検診が終わると三人でゆっくり話しをした。
みちも光彦と打ち解け今では私が居なくとも楽しそうに、お喋りをしている。
「君達の子を取り上げたい」
いつだったかそんなことを言っていて、今では私の検診と平行してお腹の子の相談にも乗ってくれている。
神様の恩赦をこんなにも受けているだなんて、奇跡のようだった。
10月になると光彦は忙しくなって、検診の時以外は姿を見せないようになった。
といっても検診はもうすでに一ヶ月に二回と回数が少なくなってきていた。
それにもうすぐ、といっても一ヶ月以上は先だが臨月が来る。
家の中も出産祝いやらでベビー用品が大部分を占めるようになって来た。
お世話になった雅歌さんもでんでん太鼓をくれた。
「ガキにはこれが一番だ。何てったって俺が作ったからな」
という冗談なのか本当なのか分かりづらいことを言っていた。
「早く…君に逢いたいな…」
大きくなったみちのお腹を撫でながら、赤ん坊に届くよう囁く。
病院に行ったら男の子だそうだ。
それからやっぱり私の担当医も当然驚いていた。
だけどなんだか難しい偶然が重なって治ったと勝手に結論付けていた。
学会に発表してもいいかとも聞かれたが、お断りした。
ずっと、子供の成長を途中までしか見れないと思っていたから、みちの妊娠は嬉しくても、何処か少しだけ悲しかった。
親になる自分が悲しいだなんて、許されないような気がして…
だけど今は嬉しさで一杯で、心が軽くなった。
2人を養うためにも仕事頑張らないと…
諦めていたもの全てが、眩しく見えた。
光彦…本当にありがとう
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