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勇者の話
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怪我を負った魔王を人間の城に連れ帰った時、人々は驚きと共に歓喜の声を上げた。
魔王は魔法の使えない牢屋へ閉じ込められた。
しかし疫病は亡くならなかった。
「魔王を死刑にしてしまえ!」
王様と貴族、そして俺達パーティーのメンバーによる会議にて左大臣が提案すれば口々に賛成の声が上がる。
俺は、何も言えなかった。
憎らしい魔王、死刑になって当然だ。
なのにそうと割り切れられないのは幼い頃の純粋なあの子を忘れられないからだろう。
そして会議の話を1通り聞いた王様は口を開いた。
「あの子供は本当に魔王なのか?」
と。
「子供が魔王であるはずがない。あの魔王の上にはまだ誰かがいるはずだ。」
そんな事はない。
あの子は魔王だ。
間違いない。
あの場所にはニーナしかいなかったしニーナから感じ取った魔力はその辺にいる魔族とは比べ物にならないものだった。
「そうだ、あの魔王は囮にしよう。本物の魔王がを捉えるための。」
王様は企む様な笑を浮かべて部屋から出ていった。
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