アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
-
真実
-
コンコンコン
「ライト・フリーデンスです。」
「あぁ、入れ。」
王様の部屋に招き入れられる。
「どうした、そんなくらい顔をして。」
王様は豪華な大きな椅子に腰かけ、上機嫌な様子で俺に尋ねた。
街があのような嵐に見舞われたというのにどうしてこんなにも機嫌が良いのだろうか。
眉を顰めながらも俺は魔王が逃げ出していたことを王に告げた。
「今回の嵐は、あの魔王が起こしたとしか思えません。適切な処罰を命じてくださいませ。」
ズキリと、胸が痛んだ。
あの子を失うことが怖くなった。
だから俺は、俺がやっている事は正しいのだと自分に言い聞かせた。
「ガハハハハッ」
俺の話を聞き終えると王様は豪快に笑い始めた。
「何を笑っていらっしゃるのですか?」
笑い事ではない。
これは真剣な話なのだ。
俺は苛立っていた。
「勇者よ、今まで良くやってくれたな。」
「…?お褒めに預かり、光栄です。」
「しかしな、お前は何も知らないのだよ。」
「私が、何も知らない?」
俺が何も知らないとは、どういう事だ?
俺はなにか、間違いを犯したのだろうか。
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
37 / 52