アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
-
…
-
僕は猫を拾った。
顔を隠すように丸くなっている姿に、思わず声を掛けてしまった。
猫はその闇に染まった真っ黒な瞳でじっと僕を見つめてきた。
僕はその闇を大層気に入った。
しばらくして、猫は徐に立ち上がった。
そうして、ソラとの飼い殺し生活が始まった。
「飼う」というのは、じわじわ殺していくのと大差ないと思う。
放っておけばすぐに死んでしまうのを、延ばして、延ばして。
じわじわと死に近づけていく。
今すぐにでも息の根を止めてもらえれば、苦しみから解放されるのに。
苦しみを延ばして、延ばして。
そうして迎えた彼らの「死」を前に流す涙は、僕に至福の快楽を与えてくれる。
「ここで死ぬか、僕に殺されるか」
蹲る俺に、男はそう言った。
俺はどっちがいいのか分からなかった。
分からなかったけど、こいつが俺をどう殺すのかだけは気になった。
路上に座る奴に、陽だまりのような笑顔で「死」を語るんだ。
一体どんな顔して、俺の息の根を止めるのか。
気になって、ついていった。
こうして、志麻との生活が始まった。
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
1 / 2