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chapter Ⅷ
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軽い接待と顔合わせを兼ね、
あるジジイの誕生会に親父の代理として
出席した。
そろそろこういうのが増えてくる。
分かってはいても気疲れする。
騒がしい、むせ返るような人混みから、
やっと解放された。
パーティとか、ほんと無理。
『だる....』
「お疲れ様でした、今日の所は以上です」
『ん....』
ぬらりと緩い風が髪を梳く。
街灯もない、月明かりだけの夜道。
夜は好きだ。何にも染まら無い、闇が。
半分意識持っていかれてても
ふらふらと足だけ何とか動かす。
それでも状態が悪化しないのは、
ここが外だから。
変装していても俺が俺であることに
変わりはない。
『雪、』
「昨日の件は、本当に申し訳
ありませんでした。以後、このような
失態は『長い』っ.....失礼しました」
仕事の後にそういう面倒なのは、
要らない。
俺に遮られて言葉を飲み込む雪が
うなだれたのが分かる。
まぁ、今も一応仕事中だけどね。
夜の見回り。
治安維持も一応仕事の内だし。
たまにこうして夜の町を歩く。
『どうでもいい』
使えなければそれまでだし、その程度
だったってことでしょ?
俺は、幼馴染みだからとかそんな理由で
側近として置いてる訳じゃない。
それに俺の一任だけでは側近は決められない
親父の許可も必要なのだ。
『お前も一々アキに突っ掛かるな』
「.....善処致します」
何、その間。
一瞬だけ迸った殺気。
名前出しただけでそれってどうなの。
ついでに、俺達の足が止まった。
「騒がしいですね、潰しますか?」
『雪』
「あー、殺りますか?」
『悪化してる』
微かに聞こえてくる怒声と
何かがぶつかり合う音。
夜は.........俺達の管轄だ。
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