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元同級生 5
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日曜の夜、綾倉と浅黄はリビングでソファーに座り、二人でくつろぎながらワインを飲んでいた。
ふと思い出したように綾倉が話し始めた。
「この間、マッサージを受けたとき、いつもの担当が急な休みで別の担当者だったんだが、結構いい男だった。
体は鍛えて締まっているし、日焼けしていて、短いあごひげも似合っていた。
こいつはゲイだなと思ってケツを褒めたら、足のマッサージがなかなかきわどくなって楽しめた」
「なんだよ、そのエロオヤジ的な発言は」
「担当をあいつに変えてもらうかな」
「変えてもらえば?」
「そうだな。
あの調子だったら、特別なマッサージもしてもらえそうだ」
「変態かよ」
自分が思っていたよりも、批判的な声音になっていた。
「どうした?妬いてるのか?
大丈夫だよ。お前の方がいい男だよ」
綾倉がからかうように言った。
「妬いてねえよ」
妬かせたくてこんな話をしているんだろうかと思いながら、顔をそむけたまま答えた。
「そうだな。
お前も合コンで楽しんでるしな」
浅黄は綾倉を見た。
「二人でトイレにも行ったらしいじゃないか」
何でそこまで知ってるんだと思ったが、どうせ、黒澤・藤原ラインだろうと見当がついた。
伝えるのなら、正確な情報を伝えてほしかった。
「合コンに参加したんじゃなくて、合コンに参加してた友達に会ったんだ」
綾倉は疑わしいという目で浅黄を見た。
「元同級生で、最近、飲み会で久しぶりに会ったばっかりだったんだ。
そんなとこで会うとはお互い思わなくて。
トイレは、そいつが静かな場所で話をしたいって言うから行ったんだよ」
「相手は話なんかしたかったわけじゃないだろ」
「そんなことはない」
田村が高校生の時に孤独だったようなことを言っていたのを思い出した。
綾倉も悩んだんだろうか。
「綾倉さんも、自分がゲイだってことで悩んだ?」
「そんなときもあったな。
おまえはどうなんだ」
「俺は、悩んでないな。
綾倉さんの相手をし始めたころ、女の子と寝たいと思わなくなってる自分がヤバイとは思ったけどね。
それよりも、綾倉さんのことを好きになってるってことが受け入れられなかったかな。
それは綾倉さんが同性だからじゃなくてね」
「それはおかしいだろ。まずは、同性を好きになったことを悩め」
「だって、あの頃は周りがみんなゲイだったから。
あ、それで俺をあの店で働かせたの?」
「1つはな。もう一つは、お前が他のやつに鍛えられて、うまくなるだろうと思ったからだ」
「他のやつとやることを期待してたってこと?」
「最初はな。いつまでも不慣れな相手だとつまらないからな。
でも、お前は嫌々抱かれに来たような態度なのに、ベッドでは反応が良くて面白かったよ」
浅黄は気まずそうに黙った。
綾倉は勝ち誇ったような笑みを浮かべた。
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