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ババ抜き
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「とりあえず簡単なものからやろうか。ババ抜きとか。決定。」
「適当か。」
ババ抜き…ね。何年ぶりにやるだろうか。
あれ苦手なんだよなぁ。普段はそんなに感情が表に出るタイプじゃないのに、ババ抜きとなると変に集中しちゃって顔に出てしまう。らしい。無意識だから俺は分からないが、そう言われた。
とりあえずババ抜きする為に、押入れの奥に封印されしトランプを取り出して、適当にきる。
「こんなもんでいいか。でー、どうすんだっけ。」
「3枚ずつくらいで交互に配って。配り終わったら、同じ数字のカードを捨てて、準備オーケー。」
「あーそうだそうだ、あぁ数年ぶりだとルールすら忘れるな…」
言われた通りに配っていく。
同じ数字のカードを捨てて準備ができたところで、順番決めのジャンケン。
何かここまできて今更だが、俺たち何してるんだろう。特に可愛らしさや幼さのカケラもない高校生男子2人で向かい合ってババ抜きって。
「……何か、客観的に俺たちの状況考えたらメチャクチャシュールだった。」
「何で?」
「や…小・中学生ならまだしも、高校2年にもなった男子2人が向かい合ってババ抜き…」
「あぁ……あぁw」
「シュールだろ。」
「だわww」
想像してちょっと笑って、気を取り直して順番決めのジャンケン。
「はいさーいしょーはグー、じゃーんけーんポン。」
俺がグー、あっちがパー。
「んじゃ俺からね。んー…これ。あ、被ったやった。」
ちなみに俺はジョーカーを持ってないので確実にあいつが持っていることになる。2人しかいないから必然的に分かってしまうのだ。うわ何だこれつまんねぇな。
「じゃー…これで。よし捨てれる。」
「これー…おーし。」
「こr…あ、いややっぱこっちにしよ…ってうわない!」
「優柔不断な子は捨てるなってことかな。これ…ほら即決の俺は捨てれるんだわ。」
「うわイラつく。」
………何このつまんない絵面。
ジョーカー誰が持ってるか分かるし、年齢が年齢だから盛り上がりもないし、淡々とした作業だし…何だこのつまんない絵面……
「……客観的に俺たちの状況を考えたら、メチャクチャつまんない絵面だった。」
「何で?」
「ジョーカーお前が持ってるの分かってるし、特に盛り上がりもないし、淡々とした作業だから…」
「ん……んんw」
「つまらんだろ。」
「んんww」
また想像してちょっと笑って、デジャヴかな?気を取り直して進めていく。
ちょっと進んだところで、俺がジョーカーを引いてしまった。
「うっわ!ジョーカーきた!」
「2人だと堂々とジョーカーきたこと言えるからいいね。」
「きたことがよくないことだからよくないと思うが。」
「あぁ確かに。」
「てかちょ…ここでくるか。もうカード少ないから危ないんだけど。」
「そのまま俺が勝ち越してやる。」
「ちょっと使い方違くない?」
少しピンチな状況。さっき言った通り、ババ抜きやってる時は表情に出やすいんだ。非常に危険。
「いやー、彼方(かなた)って普段は呆れ以外の感情をどこに置いてきたのかと思う程無愛想だけど、ゲーム中とかは結構顔に出やすいかんね。これ勝ったわ。」
今更ながら俺の名前、彼方です。こいつの名前は朔(さく)ね。
「くそ、絶対表情になんか出してやるものか。」
俺の本気を思い知れ!
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