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はだかの王子様6
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「こちら、ですか?」
ライル様に案内された場所は、明らかに召使い用の小さな部屋でございました。
部屋の奥に小さな簡易ベッドと薄いシーツ、小さな鏡つきの机と椅子が一つ。
月明かりでやっと辺りが見渡せるほどの薄暗さ、無機質な肌寒さ。
ランプすらない部屋が、現国王のご子息のお部屋だとは、無礼にもほどがあります。
「これは、国王様が?」
「違います!…お父様はなにもご存知ないのです。お母様のいない僕が欲張ってはいけないと。それに、僕が我慢すれば」
あぁ
私の可愛い王子様
「ライル様、そんな風に諦めらたお顔は、あなた様には不釣り合いでございます」
「…エドワードさん」
「よろしいですか?あなた様は幸せになるためにこの世にお生まれになられたのです。そして、私はあなた様を幸せにするために生まれて来たのです。」
さぁ
涙を拭いて、いつもの可愛らしい笑顔で笑って下さい。
「っ…ごめんなさい、今日出会ったばかりなのに、エドワードさんにはイヤな思いばかりさせてるっ…」
「なにを仰いますか。私はあなた様にお仕えできるということだけで、幸せでいっぱいでございます。優しいライル様、どうかお泣きにならないでください。あなた様の涙は、私の胸を締め付けるのでございます。」
「ぐずっ…、ありがとうございますっ…」
あぁ、
あなた様のその笑顔が見られるのならば、私はどんなことでもできるのですよ。
「さぁ、今日はもうお疲れでしょう?もうお休みください。…あぁ、それから、遅ればせながらライル様。10歳のお誕生日おめでとうございます。」
「っ!あ、ありがとうございます!…えと、じゃあ、…おやすみなさい」
ゆっくりお休みください。
私の
私だけの王子様。
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