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はだかの王子様12
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「では、参りましょうか」
左胸に白銀のバッチを付けた燕尾服の執事が微笑んだ。
「ライル王子とその執事が到着致しました。」
勢い良く開いた扉の向こうに、美しく変貌したライル王子が姿を現すと、広間にいた全員が驚いた。
一瞬しにしてざわめきが消える。
「っ、エドワードさんっ、やっぱり僕っ…」
「大丈夫でございます。皆様、ライル様の美しさに言葉がお出にならないのでございますよ。」
長身の執事はライル王子の耳元で囁くと、そっとその小さな背に手を添えた。
意を決したライル王子が緊張の面持ちで足を一歩踏み出す。
「ふむ。主役が揃ったところで、盛大に始めようか」
国王の言葉が白銀の間に響き、ファンファーレの音が空気を震わす。
「めでたい席だ。さぁ、乾杯しよう」
ライル王子の為にと集められたのは、12人の王子王女とその執事たち。
国王がグラスを上げると、煌びやかな会場にグラスを合わせる音が響いた。
「エドワード。皆にお前を紹介しよう。ライルもおいで」
国王は嬉しそうに笑いながら手招きをすると、ライル王子を隣に座らせポンポンと頭を撫でた。
「お、お父様//」
「10歳になったとはいえ、ライルはまだまだ小さいなぁ。エドワード、ちゃんと栄養のあるものを食べさせるのだぞ?」
「もちろんでございます」
国王は照れるライル王子に笑いかけ、執事に我が子とその執事たちを紹介した。
「第一王子のファイムと執事のユリールだ」
「初めましてエドワードさん。ライル、誕生日おめでとう」
栗毛の長い髪を一つに結った美しい顔立ちのファイム王子は、執事に頭を下げると、ライル王子にグラスを上げて微笑んだ。
甘い顔立ちと物腰の柔らかさで次期国王候補として国民からの人気も高い。
「お初目にかかります」
ファイム王子の後ろに立つ金髪碧眼の執事は先日会ったユリールという男だった。
「第一王女のナタリア、執事はフェルム兄弟だ。」
赤毛の髪をくるくると巻いた少女が微笑む。
「おめでとうライル。右が兄のアルで左が弟のバルよ」
「「よろしくお願い申し上げます。」」
整った顔立ちの好青年が二人、ナタリア王女の両脇に立っている。
兄のアルに小さな涙ボクロがある以外は全く同じ顔である。
国王は順に子供達と執事を紹介すると、ライル王子を見つめた。
「髪を切ったな。よく似合っている。…アリアは美しく頭の良い妃だった。お前の目はアリアによく似ている。」
「お父様…」
「10歳の誕生日、本当におめでとう」
「っ…ありがとうございます!」
ライル王子の傍にいた執事も嬉しそうに微笑んだ。
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