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「寿、笑えるようになったのだな…」
嬉しそうで、でもどこか切なそうな皇子の声音。
その声音と皇子の体温を全身で感じてしまった瞬間に、寿は無意識に皇子の胸を全力で押し退けてしまった…。
なぜか鼓動が速くて、胸が熱い…。
「あ、申し訳ござ…、」
寿が謝ろうとしたが、
「皇子、初対面でそれはいけません。それでは寿様がお驚きになるのは当たり前です」
皇子の従者が皇子に堂々と注意する。
(こいつ、皇子にはっきりと物を言うな…)
タキは寿の教育係でもあるし、また特殊な環境であるのでタキは寿に向かって口煩く言うのは、ある種当然のこと。
一国の皇子で次期陛下と期待されている人物に向かって、なかなかこんな口を叩ける従者はいない。
(こいつ、面白いな…!)
寿が隣国の従者を気に入ったことをタキはすぐにわかったらしく、タキは小さく嘆息をつく。
「お前は本当に単刀直入に物を言うな…。俺だってわかっている。今まで逢えなかった分、逢えて嬉しかったのだ」
(今まで…?)
その言葉が気になるが、皇子がにっこり笑う。
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