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皇子はそんな寿の視線を無視して、パタッと寿の上に倒れ込む。
「おいっ…!」
「‥なんで言ってくれなかった?」
「何が?」
そういや皇子に敬語を使ってない、と寿は気づいたが頭はまだぼんやりしていて、なんだかもう皇子に敬語を使うのが面倒くさい…。
敬語を使わなかったことを、明日にでも皇子に謝ればいい。
謝っても皇子の気に障ったのなら、この城を出ていってスパイになればいい、と寿は内心で開き直る。
週刊総合でスパイ特集が載っていて、身を隠しながら情報を探るスパイなら自分にも出来るかもしれない!と思い、皇子に城を追い出された時には密かにスパイになろうと寿は決めていた。
「桃のカーテンのことだ。寿には桃のアレルギーがあるのだろう?」
「…な、なんでそれを…!」
寿は桃に対してアレルギーを持っている。
桃を一口食べただけで、寿の身体全身に発疹が出来てしまうほどだ。
それはここの城にいる人間では寿とタキしか知らないはず。
ということは、皇子は誰に聞いたのかなんて明白だ。
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