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包丁は料理人達の命といえるもの。
その包丁を触らしてくれるということは、料理人達がマユを信用しているということ。
寿もマユの話を聞いていて頬が緩くなる。
後、寿がふと思い出して、庭に空いている部分に野菜を植えたらどうか、とマユに提案してみたら、そうね!と言ってマユはどこかに走り去ってしまった。
そんな去り行くマユの背中を見て、寿は眉間に皺を寄せてクスクスと笑っていた。
そして寿が、料理人達が休憩している部屋に行って頭を下げて謝ると、まさか寿が謝りにくるとは思ってなかったみたいで料理人達はすごく驚いていた。
ただ料理人達はものすごく社交的で、寿に色々と他愛のない話をしてくれた。
寿の曇っていた気持ちが、料理人達のおかげ少しは晴れた。
だが、部屋に帰ってきたらカーテンが切れられていた。
寿は大きく嘆息をついて、カーテンを見て呟く。
「…これじゃ私が犯人です、って言っているものだろう」
切り口が左利きのものだ。
左利きの人間を探せばすぐにわかるというのに…。
(もしかして俺に自分が犯人だと気づいてほしい、とか…)
そんな考えがふと思い付けたが寿は首を振る。
(な訳ないよな…)
犯人がバレたらその人間の身の保証はない。
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