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「別に俺は寿の気持ちがいらない訳じゃない。はっきり言えば、寿の気持ちが欲しくて欲しくてたまらない。ただ…、」
「…ただ?」
「寿の気持ちを考えたら、俺のことを好きにならないと思った」
いきなり見ず知らずの隣国の皇子がやってきて迎えに来られたら、はっきりいって迷惑だ。
それで好きになってほしいと言われても、
……困るだけかもしれない……。
「コウがそんなことを言ってはダメだと。どんな手を使っても自分に振り向かせて、寿を幸せにしないといけない…。それぐらいの気持ちと行動力がないと寿の本当の笑みは俺には見せてくれない…、と」
布団から皇子が顔を上げる。
「寿の気持ちを考えて言ったはずなのに、寿を戸惑わせてしまった。すまない」
一国の皇子が謝罪を口にしたことに、寿は驚いてしまう。
寿は驚いたまま無意識に思い切り首を振る。
「寿に嫌われたくなくて、すべてに臆病になってしまう…。これが恋というものであろうか…」
皇子は儚げに微笑む。
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