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「ああ、寿がここにいる。寿の匂い、寿の体温で俺は安心する」
「皇子も?」
寿はハッとする。
失言だ!と気づいてももう遅い。
皇子の表情がニヤけている。
「寿もか。だったら一緒に寝ることに問題はないだな」
皇子は寿の髪にキスを落とす。
「皇子っ…!!」
寿は顔を真っ赤にして、非難の声を上げるが皇子はクスクスと笑うだけ。
自分の顔がものすごく熱い…。
顔を隠したいのに、皇子がギュッと抱き締めているせいで寿は身動きが出来ない。
「…ったく、昨日と大違いだ」
寿は抵抗をやめて、皇子の腕の中でボソッと呟く。
「コウに押して押しまくれ、と言われたからな」
(コウに…?)
そういや、どこかで聞いたことあるセリフだ。
逡巡してみると寿自身がコウに向けて言った言葉なのを思い出した。
(‥まさか)
どうやらタキだけはなく寿自身にも、この災難は降りかかってきそうだ。
内心で嘆息をつく。
あんなこと言うんじゃなかった…、と少しだけ後悔するがもう遅い。
「これ以上は何もしない」
「当たり前だ!」
皇子はクスクスと笑う。
「なに笑って…、」
「俺は嬉しいのだ。寿が敬語をやめてくれて、布団の中にも招き入れてくれた」
皇子の声が嬉しそうに跳ねる。
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