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「あの神童とも言われた彼が、なぜ誰も使われてない後宮の管理者をしているのか……。なぜそのことをバカにされても何も言い返さないのか…。なぜ料理人達と仲良くなり、料理を分けてもらっていたのか…」
寿を見てすべて合点がいった。
「それは彼が命をかけて、この子を守るためだとわかったのです」
コウは大きく息を吐いた。
「私はその場に立ち尽くしていたので、彼に見つからないはずがありません…。彼は驚いたように目を見張りましたが、何も言わず私のことを一瞥してドアを閉めました。…彼が何も言わなかったのは、私を信用したためではありません…」
信用してもらえるほど、彼との信頼関係がないことはコウが一番わかっていた。
「寿様の前で言い争いしたくなかったこともありますが、私がもし密告などしようとするなら寿様をどこか安全なところに預けて、私を虚偽報告の疑いで処刑する計画を頭の中で一瞬で練り上げたのでしょう」
タキはそんな男じゃない、と寿は咎めることはできない。
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