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寿が自分の部屋に戻ると、ベッドの上に大量の釘が蒔かれていた。
寿は肩を竦めて、釘を集め出す。
釘は新品でいつか役に立つかもしれない…、とこんな時でも貧乏性が出てしまって、寿は苦笑する。
釘を集め終わると、まだ落ちていないか入念にチェックして釘を引き出しに仕舞う。
そして皇子がくれた小物入れを取り出す。
小物入れを手に取っただけで、寿の胸がギュッと痛くなる…。
皇子はどんな思いで渡してくれたのだろう…。
皇子にこの小物入れを返そうとしている自分がここにいる…。
小物入れから、折り鶴を出してじっと折り鶴を見つめる。
(俺は…、)
その時、バーンッッ!!!と大きな音を立てて隠し扉が開く。
寿は咄嗟に折り鶴に小物入れに隠した。
「寿様っっ!!コウに何を吹き込んだのですかっっ!?」
「何をとは何をだ?」
タキは怒りで声を荒げているが、寿の声音は冷静だ。
「コウが『タキの命を寿様に捧ぐなら、タキに俺のすべてを捧ぐ。だから寿様を全力で守れ。ちゃんと寿様には許可は頂いている』って!どういうことですか、寿様っっ!!」
タキは怒りで、頬がピクピクと痙攣している。
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