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嘘の鏡合わせ(7)
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サロンで昨日の報告をし合う時間になった。全員が揃い、それぞれの前にアリスが入れたお茶が並ぶ。今日はジャスミン茶葉にチャイナボーンの茶器だ。
「では、昨日の報告を流生から。」
理人が一口紅茶を飲んだところで香がメモを持ちながらそう切り出した。サロンには真剣な空気が漂う。
「はい!まず、牧野は足の骨を複雑骨折したのと、脳震盪で一時意識を失くしたため大事をとって入院しているようで、本人は至って元気そうでした。」
「いがったにゃ。(よかったな)」
「そうだな、不幸中の幸いってやつだ。」
「で、とりあえず最近成績が落ちてたらしいので理由を聞きました。勉強の息抜きに乞い乞いだと知らずに、これを使っていたようです。」
流生が箱の蓋を取り、ローテーブルの中央に置く。一番反応したのは鉄平だった。
「息抜きにって・・・。でもなんで、こんなもの持ってるの?」
鉄平が顔をゆがめて流生に質問をする。
「よくぞ聞いてくれました!これは楽師Aクラスの佐藤育孝に渡されたそうです!」
「え?佐藤?」
「マジかよ・・・。」
鉄平がキョトンとした隣で、潤が頭を抑えた。面倒くさくなるぞとボヤいている。
「確かに欲しかった繋がりではありますが、何故彼を選んだのでしょうか?」
「それはまだ分からないだろうな。」
涼介に対して香がそう言いながらチラリと理人を見た。その視線に気がついた理人が、ティーカップを置いて口を開く。
「とりあえず、俺が見た記憶では、牧野と斎藤は幼馴染でお互いのすれ違いが原因で揉めたらしいということは分かった。あの階段で何があったのか見たが、事件のきっかけは・・・なんだろうな。」
「じゃあさ、とりあえず見たまま教えて?」
悩み出した理人に隣から聖夜がすかさずフォローする。
「分かった。」
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