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まるで噴き井戸から無限に溢れる音のように、テレビはよくお喋りをしている。食事中はあまり会話はないが、凪の美味しい美味しいという独り言なのか俺に言ってるのか分からない声だけが、たまにあるくらいだった。
凪より一足先に食べ終えた俺は食器を流しに運び、冷蔵庫から1週間ぶりのビール缶を取り出した。プルタブを引っ張るとプシュッといい音がなる。その音に凪も食べる手を止めて俺の方を見た。
「お前も飲むか?」
「わ~未成年にお酒を進める悪い大人だ~」
「そーだそーだ、俺は悪い大人なんだよ」
ビールを喉に流し込みながらソファに戻る。強い炭酸と苦みが喉を攻撃するが、それがたまらなく好きだった。飲みすぎると飽きるビールは、最初に飲んだ時が一番うまい。
「狐塚さんって酔うとどうなるんですか~?」
「知りたいか」
「いえ全然知りたくありませ~ん」
「嘘つけ。教えてやるよ」
可愛くないことを可愛い顔で言われると、やっぱり苛めたくなる。ニヤッとあまり人に見せたことのない笑顔を浮かべると、俺はビールをもう一口含んだ。そしてそのまま、飲み込むことはせずに凪の顎を片手で掴み目を合わせると、薄い唇に自分のを押し付けた。
「んぅ!?」
口に含んでいたビールを凪の口の中に移動させてやる。強制的に飲み込まざるを得なくなった凪の喉が、数回動いたのを確認してから、舌を押し込んだ。
ビクッと大袈裟なくらいに体を震わせた凪に、何か熱いものがこみ上げてくる。それはジワジワと俺の心を侵食し、気付いたら凪の体をソファに押し倒していた。
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