アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
-
-3-
-
それならばと、悩みに関係している可能性の高い、この前満輝が言っていた恋愛関係について切り出すことにした。
「そういえば、好きな人かもしれないって言っていた人とはどうなったんだ?」
「……うん、お兄ちゃんのおかげで自分の気持ちを自覚したから…すぐに好きだって伝えたよ」
「すごいじゃん。いつ?」
「8月13日…その日、ペルセウス座流星群の日だったから、一緒に見たんだ。それで……勢いでぽろっと言った」
「へぇー。さすがだな」
弱弱しく笑って話そうとする満輝に、やはり悩みは好きな人についてかと遼哉は確信を持つ。このまま掘り下げて悩みを聞き出すのもいいが、満輝にだけ質問をして話させるより、自分の話も混ぜて満輝の反応を見ることにした。
「お前がペルセウス座流星群?ってやつを見てた日、俺も恋人と部屋で花火見てた」
「お兄ちゃん恋人いたの!?」
「いるぞ。初めて人に言ったけどな」
「いつからいつから?どんな人?どこで出会ったの?何歳?」
食いかかる様に質問攻めをしてきた満輝の顔は少し明るくなり、遼哉は自分の選択が正解だったなと安堵した。人に話すのは慣れないが、1つずつ丁寧に質問に答えていく。
「んー6月頃からだったと思う。俺の店でバイトしてくれているやつで、ずっとヘラヘラして笑ってるけど守ってやりたくなる。歳は満輝の1つ上の17歳。…絶対、誰にも言うなよ。俺が犯罪者になっちまう」
満輝は初めて兄の恋愛話を聞けることに、内心感動していた。遼哉が学生の頃はそれなりに彼女がいたらしいが、あまり長く続いていなかった。社会人になってからは仕事一筋で、全く女っ気がなかったから満輝も両親も気になってはいた。
自分の恋愛とはきっと全く違うんだろうけど、何か参考になるかもしれないと満輝は明るい気持ちを少し取り戻す。兄の仏頂面はもう見慣れていたが、表情が少し柔らかくなっているようだった。
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
96 / 138