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確信
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朝から止まない雨を避けるために、屋根のある中庭を通って体育館に向かった。
体育館に着くと、何やら雰囲気がいつもと違った。
部員達が出入り口に集まっている。
やけに静かだ。
『忠、何してんの?』
疑問に思って忠に質問する
「お!真琴!いいところに来たな!今からクライマックスだぞ!」
なんの話だ。
背の高いバスケ部員たちの間から体育館の中を見てみると。
体育館の中心に礼央と、あのマネージャーの子がいた。
嫌な予感が
「ずっと前から朱梨のことが好きでした。付き合ってください」
的中した。
マネージャーの子が小さくうなづいた。
「よっしゃーやったなー礼央ー!!!」
忠が言いながら礼央のところに走っていくと、残りの部員も礼央のもとへ走り出した。
僕は目の前が真っ暗になってその場に立ち尽くす。
「ありがとなーみんなー」
礼央が無邪気に笑う。
この場から1秒でも早く立ち去りたいのに、足が動かない。
「まこと〜」
忠が僕を呼ぶ
礼央が僕に気づいた。
「真琴!」
礼央が俺を呼ぶ。
何か言わなきゃ、笑わなきゃ、
そう思っているのに、涙が出そうになってしまう
好きな人が目の前で、自分以外の人に好きだと言った。
この場合何を言えばいいのか、、、
こらえきれなくなった涙が落ちる
グイッ!!!
その瞬間
僕は手を引かれて、体育館に背を向けていた。
一瞬何が起こったのかわからなかった。
顔を上げて前を見ると、真壁が僕の手を引いて走っていた。
後ろから礼央の声が聞こえた様な気がしたけど、振り返ることはなかった。
いや、振り返ることができなかった。
振り返ると泣いているとバレてしまう。
僕はただ真壁に手を引かれままついて行った。
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