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「おーい赤いペンキが無いんだけどー」
文化祭まであと一週間、僕たちのクラスは予想通り展示、
プラネタリウムをやることになった。
教室を暗幕で暗くして、プラネタリウムの映写機を持っている人たちが当日持ってきて置いておくだけ。
まぁ綺麗といえば綺麗だけど、手抜き感がすごい。
前もって準備することと言ったらいい、看板を作るくらいだ。
それで、今日の6限目を使って看板作りをしている。
教室がペンキで汚れないように、技術室を借りて、力のある男子が看板作り、余った人たちは殺風景にならないように飾りを作ったり、宣伝用のチラシを作っている。
「ペンキなら買い置きしたやつが教室にあるからさっき礼央に取りに行かせたー」
20分ぐらい前、忠はペンキが足りなくなりそうだと言って礼央に教室まで取りに行かせた。
もう戻ってもいい頃だと思うけど、、、、
「真琴、ちょっと礼央見てきてよ」
『え、、、、わかった、、、』
正直、礼央に避けられてるから行きたくは無いけど、ここで断るのも変だし、何より、看板作りにあまり貢献できたない自分が行くのが妥当だと思う。
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教室につき、ドアを開けると礼央が机に突っ伏して寝ているのを見つけた。
大会も近いし、文化祭、体育祭の準備で疲れてるんだろう。
そう思って礼央に近づいて行くと、男なのに長いまつげと、うっすら茶色の髪に見惚れてしまう。
こんなに礼央の近くに来るのは久しぶりだ。
『れお、、、、』
小さきつぶやき、礼央の手にそっと触れた
僕じゃ無い、女の子を守るための手
この手に抱きしめてもらいたかった
「なに」
!!!!
礼央が突然目を開けて返事をした。
『お、起きてたの?!』
突然のことにあわてて触れていた手を離して、後ずさろうとする
「待てよ」
僕の手が離れた瞬間、今度は礼央が立ち上がって僕の手首を掴んだ。
逃げようとした僕はあっけなく捕まり、そのまま僕の手を掴んだ礼央を見つめた
『礼央?』
「、、、、何か、用事があったんじゃ無いの」
『た、忠がペンキを早くもって来いって』
礼央が、心臓の鼓動が聞こえるんじゃ無いかってぐらい近くにいて、つい焦ってしまう
「あ、そうだよな、、、ごめん。」
礼央は我に返ったような顔をして、僕から手を離した。
僕に背を向けて、ペンキが入った段ボールを開ける
なんか、聞くなら今って感じがする。
『礼央は、なんで最近僕を避けてるの』
その言葉に、段ボールからペンキを出していた礼央の手が止まった。
やっぱり避けられていたんだな。
『僕のこと嫌いならしょうがな「嫌いじゃない」
僕が言い終わる前に礼央が割って入ってきた
「嫌いじゃない。むしろ大切な幼馴染だよ、、そう幼馴染なんだよ」
礼央が俯いて早口に答えた。
そのまま礼央はどんどん早口になる
「自分でもよくわかんないんだよ、認めたくないけど、認めちゃいけないけど、この感情がなんなのか俺だってよく、、、気のせいだって思いたくてお前を避けて、、、」
礼央は俯いたままだった。
僕はなんのことかわからなくて、あっけにとられてる
なんの話をしてるんだ。
『礼央?』
僕の声に礼央がハッとして顔を上げた。
「ごめん、、、今の忘れて」
礼央は気まずそうに僕の手を離し、教室の後ろにあった段ボールを開けてペンキを取り出した。
また沈黙になってしまった。
前は2人きりで沈黙しても、どうってことなかったのに、、、、
『礼央、彼女とはうまくいってる?』
沈黙が耐えられなくなって、1番聞きたくないはずの質問をしてしまった。
「うーん」
礼央からは肯定でも否定でもない答えが返ってきた。
微妙なのか?
『まぁ最近忙しいしね』
「いや、というよりも俺が別の人のこと考えすぎなんだよ」
別の人のこと?
付き合ってまだそんなにたってないのに、もう他に好きな人ができたのか、、、
「真琴のこと考えすぎてた」
え?
僕のこと?
だったらなんで今まで避けてたんだよ。
なんで彼女なんて作ったの
「今まで当たり前にそばにいたけど、離れて見ると本当の気持ちってわかるもんだな、、、」
???
なんの話をしてるんだ?
『どういう意味?』
僕は思わず言葉の意味を礼央に聞いた。
礼央は僕の言葉に一瞬キョトンとした顔をしたが、その後、大きな声で笑い出した。
「お前って、意外と鈍感なのな(笑)」
なっ!
それは礼央だってそうじゃないか!
こっちは何年片思いしてると思ってんだ!
『礼央だって鈍感だよ』
先を行く礼央に向かって大きな声で叫んだが、礼央は笑うばかりで僕もそんな礼央につられていつのまにか笑ってた。
この日から、また僕と礼央と忠の3人で学校生活を送るようになった。
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