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期末テストで赤点を取ったら東京遠征に行けない事を武ちゃんから伝えられてから馬鹿4人は勉強に励むようになった
夕と田中は昼休みによくノートを持って飯を食いに集まる
「田中は普通の馬鹿だけど夕はなんか飛んでる馬鹿だな」
ボソッと言った俺の言葉に力、木下、成田が笑う
「だから教えてくれよ!綾斗っ!」
「あ夕?どれがわかんねーの?」
夕が指差した数学の問題を俺はすらっと解く
「だから、これはこうでこれをこうすれば解けるだろ」
「綾斗ってバレー教えるの上手いけど勉強教えるの下手だな」
力が苦笑いして言うので俺はむすっとした
「なんだよ力。じゃあ他どう教えんだよ。こんなん公式覚えて当てはめれば解けるだろ」
「え、綾斗これ応用だけど公式当てはめて解ける感覚なの?」
「はぁ?当たり前だろ数学なんだから」
2年組みに白い目で見られる
なんだこれ、俺がおかしいのか?
「因みに綾斗ってさ、テスト勉強とか」
「しねーよ。めんどくせー」
田中、夕が菩薩顔をした
「今は西谷と田中に同情できるわ」
力がいうと成田と木下が顔を上下に動かす
何だよお前ら。俺がおかしいのか。普通だろ
放課後、練習が始まる前の少しの時間に蛍が日向と影山に勉強を教えていた
なんだかんだいってちゃんと教えているあたり面倒見の良さが伺えて微笑ましい
「影山も人の事言えないんだけど!全体的に日向より出来てないんじゃないの!英単語の暗記くらい自分でなんとかしなよ!」
「日本人に英語が分かるか!!」
「じゃぁ東京行きは諦めるんだね!」
一筋縄でいかない日向と影山にイライラしているようだ
俺はぽんと蛍の頭に手を置く
あーふわふわだ。気持ちいい
「将来、世界と戦うなら英語は必須だぞ。影山」
「影山」
大地さんが攻撃のサインをだす
「Bクイック。A。C。セッター前の時間差。レフトバックアタック。D。平行。セミ。セッター後ろの時間差」
「これ、どのくらいで覚えた」
「ん?教えてもらった日っすかね」
大地さんがにこっと笑う。笑顔が怖かった
「それで暗記が出来ないとは言わせないからな」
「よし、じゃぁ土曜、部活のあとうちな」
「よっしゃ。綾斗もくるだろー?土曜」
少し離れた所に居る俺に夕が声をかけてきた
「土曜はリハビリだからバース。それに俺より力に教わった方がいいだろ」
俺もいつもより少し大きめの声で対応する
手はいまだに蛍の頭の上だ
「昼のことまだ根に持ってるのかよ!」
「いいえー」
田中が頭を掻きながら困り顔をしていたので少し心がすっきりする
「昼って何かあったんですか?」
蛍が俺を見上げなら聞いてきた
いつもと俺が見上げてばかりいたから見上げられるとか新鮮だ
「別に数学の問題を解いただけだよ」
「は、はぁ」
ほら、普通じゃん
いまいちピントこなかった蛍はふわっとした返しをする
「月島ー。だまされるなー。普通そんな簡単に解けるような問題じゃないから」
力がよく分からない補足をした
「ところで綾斗って学年順位ってどのくらいなの?」
着替え終わったスガさんが俺に聞いてくる
「あー1年の時は10位以内でしたかね。俺テスト勉強するタイプじゃないんで」
「「「うわぁー」」」
みんなが俺を白い目で見てきた
田中と夕は腕を組み首を上下にうごかす
なんか釈然としない
「俺、先言ってますね」
俺はむすっとし部室をあとにした
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