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side 及川徹
何勝負かしてまっつんとマッキーがデットヒートを繰り返す中であーやんは最下位争いに忙しそうだった
「それにしても、あーやん。弱すぎじゃない?」
「ちょっと今話しかけないで下さい。及川さん」
あーやんは体を思いっきり動かしながらテレビを睨みつけている
あ、また負けた
「2人とも強すぎます」
「「いや、綾斗くんが弱すぎる」」
まっつんもマッキーも口そろえて言う所か。そこ
コントローラーを置いてあーやんが立ち上がった
「ちょっとトイレ借りていいですか?」
「あーじゃぁ案内するよ。うちのトイレ分かりにくいから」
「じゃぁー俺、やるかな」
「おっけー」
さっきまで俺の隣にいた岩ちゃんがあーやんがいた所に座りコントローラーを握る
俺はトイレにあーやんを案内するため廊下にでた
あーやんは大人しく俺の後ろを着いてくる
「あーやんはさ。自分のバレー嫌いなわけ?」
「へ?あー。嫌い・・・と言えばそうなのかもしれません。けど、俺にはこの戦い方しかないから、しょうがないですよね」
今きっとにへらと力なく笑っているんだろう
そうなんとなく想像できた
「へー。意外と弱気なんだね」
少し嫌味を言ってやった
俺は、中学2年の時の宮城県強化選手合宿で田所綾斗をみたことがある
聞けばこいつは他県の強化合宿にも参加しているようだった
今と同じハーフアップの髪型に感情の読めない顔
あ、でも昔よりは今のほうが感情が豊かな気がした
セットアップが下手なんて笑わせる
あーやんは寄せ集めチームを作ってゲームをしていた
それを俺は見たことがある
チームの100%を引き出すってこういう事なんだろうなって思った
俺は田所綾斗にいい刺激を貰ったんだ
そう言うセッターになりたいと思った
それなのに、こいつは・・・
はぁ、憧れとはなんなんだろーホント
「弱気と言うか、事実を認めることが出来たんです俺。嫌われてたんですよね中学の時」
丁度トイレに着いた
「ここ」
「ありがとうございます」
あーやんはトイレに入った
俺はそれを待つ
ついでにトイレしたいし
待つ間思考を巡らす
嫌われていた。
確かに当時、田所綾斗の周りには人が集まっていなかった
俺自身なんとなく話しかけ辛さを感じていたし
けど、それはなんと言うか高嶺の花と言う感じで
触ってはいけないようなそんな感じ
恐れ多いというか
けど、それをそう捉えられない奴がいたら?
あの年頃で恐れ多いと嫌いを履き違えているなんてよくある事だ
水の流れる音した
「すみません」
「俺もするからさー。ちょっと待ってて~」
俺はあーやんに手を振ってトイレに入る
用を済ませ手を洗った
「あーやん。おまたせぇ~」
あーやんは壁に凭れ掛かり何を考えてるのか俺の声が聞こえない様だ
「あーやんっ。無視かなー?」
なんとなくムカついて、俺はあーやんの口を塞いだ
女の子のように柔らかい唇
もっと。もっと、堪能したい
そう思い舌を絡ませた
「んっぁんっ」
あーやんからエロい声が漏れる
もっと聴きたい
もっと、もっと
思いっきり体を押される
俺は我に帰った
あーやんは座り込み唇を手の甲で拭う
「なんで・・・こんな事」
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