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一通りの片付けを終えて藍川さんと2人、冷たいお茶を飲む。
仕事でここに来たはずなのに今日一日本当にただのお世話係になってしまった。
「…藍川さん、よく一人で生きてこれましたね。」
「えぇそんなに酷いかなぁ…でも、小波くんが来てくれて本当に助かったよ。ありがと。」
「どういたしまして。汚さないように少しは意識してくださいよ。」
「もちろん。ゴミはゴミ箱に、だよね。」
「ゴミ箱が満タンになったら捨てに行くんですよ。」
「ふふ、わかってるよ。」
お茶の入ったコップを両手で持って笑うと、傾けてグビグビと飲み干してしまう。
どこか色っぽくて綺麗な人だ。
そういえば、前からよくネットで騒がれていたっけ。
「はぁ、…」
「ため息ついちゃ死んじゃうよ。」
「死にません。…俺、帰りますけど藍川さんの方こそ死なないでくださいね。」
「はい、わかりました。」
くすくす笑ってそう言うと机に手を伸ばしペターと平たくなってしまう。
そのまま机へ頬をつけ目を閉じると、どこか優しく笑った。
「ここで寝ちゃダメですよ。」
「わかってるよ。小波くんは心配屋さんだなぁ。」
「次来た時に死なれてたら困るからです。」
「あ、そうだ。次はいつくるの?アシスタントさんって初めてだからわからなくて。」
「えーっと…とりあえず明日明後日は土日なので来ません。基本的に平日だけです。…まぁ平日の中でも毎日四六時中張り付いてる訳じゃないので安心してください。」
「そっかそっか。明日は土曜日だったの忘れてた。」
腕を抱いて早速寝てしまいそうな藍川さんの顔を覗き込む。
長いまつげ、白い肌、ほんのり赤い唇。
艶のある髪は少し伸びていて頬を隠して垂れている。
あぁ、遠くから見れば女の人と間違えるくらいに綺麗な人だ。
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