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ドクン、ドクンと心臓が動く度に体が揺れてるみたいで気持ち悪い。
死んでしまいそう。
早く言わないと、怒られる。
『おい、どうした??藍川、返事をしろ。』
「…っ…ひ、…ぅ、…っ、いんふ、る…んざ、に…っ…」
『…インフルエンザか?』
「そ、れ…にな、っ……、ひっ、ぅ"…っ…!?」
痛い、痛い。
心臓が痛い、苦しい。
助けて、助けて。
助け、て。
「…た、…すけ、…っ…て、…」
.
いきなり藍川から電話がかかってきたかと思ったら、声がうまく聞き取れない。
マラソンしながら電話してんのかってぐらいの雑音と声の荒さだ。
「…インフルエンザか?」
『そ、れ…にな、っ……、ひっ、ぅ"…っ…!?』
急に声が変わる。
苦しそうな声はどう考えても異常だ。
インフルエンザ、ってのにはかかった事がないがこんな調子になるものか?
何も言えずに向こうの声を聞いていると
『…た、…すけ、…っ…て、…』
と消えそうな声が聞こえてきた。
助けて?
…冷静に考えろ。
藍川はインフルエンザになったところで電話してくるようなやつか?
普通なら良くてもメール、悪かったら朝迎えに行った時に言われるようなやつだ。
第1コイツが自分から病院に行って検査を受けるような奴では無いのはわかる。
「おい、お前…」
『ぅ"、っぃ"……ひ、っ…』
「おい、どうした!?藍川…」
『嘘、っ…嘘、です、…来ない、で…助けに来ない、で…ごめんなさ、っい…』
「お前今誰といる!?家か、誰か来たんだな!?」
『…っ、嘘、来ないで…っ、何も、しないっ、で…!』
藍川がそう叫ぶのを最後に電話が切れた。
…何が起こってる?
インフルエンザなのは本当か、それとも誰かに無理やり電話をかけられてそう言わされてる?
だが、昔酒に弱い藍川が酔い潰れて意味のわからない電話をかけてきた事もあった。
この時期に変に大事にはしたくない。
明日の朝連絡して…それで、大事じゃ無さそうならただのインフルエンザだってことにしよう。
「…まさか、あの人が藍川の家に上がり込む訳ないよな。」
まだ頭に残る藍川の悲鳴を思い出しながら仕事へ戻る。
助けて、か。
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