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僕の過去と奈津の過去。
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咲夜「なっちゃん起きてる??」
奈津「うん。起きてるからさっさとこっち来たら?」
半分開けてくれたところに入る。
奈津「不眠症なのね。」
咲夜「うん。昨日はね、ダメだった。」
奈津「そう。…その原因聞いてもいい?」
なっちゃんは清都先輩関連で敵視してくることが多い。
でも根は優しい。
ふとなっちゃんの手を握った。
震えなんて全くなくて、強くて綺麗な手。
怖さを知ってる手。
そんななっちゃんになら教えてもいいかなって。
思った。
奈津「どうしたのよ?」
咲夜「…実はね……僕、半年前誘拐されたんだ。僕とお兄ちゃんとお姉ちゃんの3人で。」
ちょうど年越しシーズン。
3人でクリスマスケーキを買いに行った帰り道。
クリスマスから1月前半まで。
年越しは誘拐犯と過ごした。
最悪の日。
奈津「お兄さんいたのね。」
咲夜「1週間。誘拐犯と過ごしたんだ。僕は1ヶ月の間意識不明。で、気づいたら僕のお兄ちゃんは亡くなってた。」
奈津「え?」
咲夜「へへへ。お兄ちゃんとお姉ちゃんは別室だったから何があったのかは知らないんだ。お姉ちゃんは謝ってた。」
奈津「そう。大丈夫?」
なっちゃんは僕を抱きしめてくれた。
優しいなぁ。
奈津「…奈津もある。誘拐されたこと。」
咲夜「え?」
奈津「小学校のときに少しね。奈津は一年間誘拐犯と過ごした。その後怖くて拒食症と不眠症になっちゃって、精神病院にちょっと通ってた時もあった。あの時は、幻覚とか見えちゃって…ふふ、大変だったの。……随分と迷惑かけちゃった。」
咲夜「怖かったよね。」
奈津「咲夜くんは今、怖いでしょ?」
なっちゃんは悲しそうに目を閉じる。
僕もそれに合わせて目を閉じた。
まだあの光景が広がる。
やはり怖い。
奈津「奈津は、中等部から入ってきたからここに入る前にあったんだけど。赤ちゃんの頃からの幼馴染みにね、怖くても過去を振り返っちゃダメって教えてもらったの。ほんと、ムカつく奴だけどそう考えたら怖くなくなってた。」
咲夜「僕にもそう思えるかな。」
奈津「大丈夫。心配ない。」
まだ怖いけど、ここまで人に話せたのは初めて。
まだ会って間もないのにね。
なっちゃんは優しい。
お姉ちゃんに似てる。
だからかなー。
咲夜「なっちゃんのその服装はいつから?」
奈津「赤ちゃんのときからね。お母様が着せて、そのなれ行きよ。」
咲夜「そうなんだ!その服可愛いね!」
もこもこしたピンクの上下のルームウェア。
奈津「ちょっと、奈津自身を褒めなさいよー!」
咲夜「なっちゃんも可愛いよ!」
奈津「なんか付け足した感が否めない…。」
それからは紫乃同様、お話してた。
でもなっちゃんはお肌に悪いと言って、寝ちゃったけどそこで朝まで過ごした。
なっちゃんの過去にはびっくりした。
多分僕より酷かったんだろう。
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